とろけるクリーミーな口当たりのアボカド。美味しいだけでなく、アボカドは「世界一栄養価の高い果物」としてギネスにも認定されている、栄養価満点のスーパーフードです。果肉の20％が脂肪分ということで「森のバター」とも呼ばれ、美容に良い栄養素をたくさん含んでいることから「食べる美容液」という代名詞まで付いています。
アボカドは、クスノキ科ワニナシ属の常緑高木のことで、私たちが食べているのはその果実です。未熟な内に収穫し、常温で追熟させてから出荷されます。国内で販売されているアボカドのほとんどがメキシコ産やニュージーランド産で、一年中スーパーに出回っているので、私たちの食生活に手軽に取り入れることができます。今回はそんな身近な食材のアボカドの栄養価と美肌＆健康効果について、詳しく解説します。
”食べる美容液”アボカドの美肌効果
アボカドは、ビタミンEをはじめ、各種のビタミン、鉄、ミネラルなど、美容にいい栄養素をたくさん含んでいます。最近は「食べる美容液」とも呼ばれ、美容を重視する方にとって嬉しい食材です。モデルや海外セレブも、好きな食材の一つにアボカドを挙げているのをよく聞きますよね。
①ビタミンEによるアンチエイジング効果
アボカドには、抗酸化作用のあるビタミンの中でもトップクラスの働きをすると言われているビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEの抗酸化作用で活性酸素が除去されることによって、シミ・そばかすの原因になるメラニンの増加を抑える働きがあります。また、ビタミンEの働きによって血流が良くなり、代謝も上がることから、肌のターンオーバーを正常化してくれる働きがあるとも言われています。そんなビタミンEを豊富に含むアボカドは、肌と髪を活性化させる、まさに天然の保湿剤なのです。
②グルタチオンによる美肌維持効果
私たちの体内で作られるグルタチオンという抗酸化成分は、老化を早める可能性があることでも知られている活性酸素を改善する働きがあります。グルタチオンは年を重ねるごとにその量が減ってしまうことが分かっていますが、アボカドにはグルタチオンが含まれており、老化を防ぐ効果があると言われています。さらに、グルタチオンはシミの元となるメラニンの生成を抑える働きがあるので、美肌を維持する効果が期待できます。また、解毒作用や細胞を活性化する働きがあるとされ、老化の原因である過酸化脂質が増えるのを抑制する働きがあることも分かっています。このように、アボカドは女性の美肌維持にはぴったりの食品なのです。
③リノール酸・リノレン酸による天然保湿効果
アボカドに含まれるリノール酸やリノレン酸は、肌を潤して乾燥から守ってくれるセラミドを作り出す働きがあります。アボカドを摂取することで乾燥肌が改善され、肌のツルツル効果が期待できます。アボカドの天然保湿効果でしっかりと肌のコンディションを整えましょう。
④葉酸で健やかな妊活妊娠ライフ
アボカドには葉酸が含まれています。葉酸は細胞生成に欠かせない栄養素と言われていて、妊活中や妊娠中の女性の体のための重要な栄養素です。葉酸は食事の中で摂取するのがなかなか困難ですが、アボカド1個で成人が1日に必要とする摂取量を補うことができると言われています。アボカドを食事に取り入れて、少しでも多くの葉酸を摂取し、健康な妊活妊娠ライフを送ってください。
アボカドで健康的に体型維持
アボカドは脂肪分が非常に多く、1個あたりのカロリーは約230kcalと言われ、ダイエットには向きそうもないイメージを抱くかもしれません。しかし、高栄養で低糖質のアボカドは、糖質制限のダイエットメニューによく使われている食材です。
①オレイン酸で脂肪をつきにくくする
アボカドの脂質はオリーブオイルの主成分と同じ、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が含まれています。この植物性の脂質は、動物性と違い、血中の悪玉コレステロールを抑えて脂肪をつきにくくしてくれます。
②カルニチンとリパーゼで脂肪燃焼と体脂肪の分解
アボカドには、カルニチンとリパーゼという成分が含まれています。カルニチンは体内に摂取することで積極的に脂肪をエネルギーに変え、リパーゼはその働きを助けつつ消化酵素として体脂肪を効率よく分解します。
③食物繊維で食欲抑制と便秘改善
アボカドは、水分を吸収することで膨張する食物繊維が豊富で、同じく食物繊維が豊富な”ごぼう1本分”と同じくらいの量があると言われています。食べて胃の中で膨らむので、少量で満腹感を得ることができます。また腹持ちがいいので間食を防いだり、食事の量を抑える効果もあります。また、アボカドに含まれている食物繊維は、摂取することで腸内環境が整うので、ぽっこりお腹の原因でもある便秘を改善してくれます。
④グルタチオンでデトックス効果
アボカドには、最強のデトックス成分、グルタチオンが非常に多く含まれています。その成分量は身近な食材の中では1番と言われています。医薬品としても使われるグルタチオンは、年齢を重ねるごとに目立ち始めるシワやシミを解消したり、肝臓機能の改善、疲労の蓄積予防など様々な面で効果を発揮してくれます。
⑥生活習慣病の予防
先程も紹介したオレイン酸は、コレステロールや中性脂肪を減少させるだけではなく、血液の流れを改善して動脈硬化も予防します。また豊富に含まれている、11種類のビタミン・14種類のミネラル・カリウムは、血圧を正常値に戻す効果を持っているため、摂取することで生活習慣病の改善を期待できます。
食べ頃のアボカドの選び方
食べ頃のアボカドは、皮の部分が濃い緑色から黒褐色をしていて、指で触った時に少し押せるぐらいの弾力があります。緑色のアボカドは固くて青臭いので、20℃～25℃の室温で追熟させてから食べると良いです。熟してから保存したい場合や、熟す前の固い物を使用したい時は、野菜室や冷蔵庫で保存しましょう。皮の色の変化などを見て、ちょうど熟した頃に食べるのが、アボカドを美味しく食べるコツです。
正しくアボカドを食事にプラス
高栄養価のアボカドは、正しい食べ方を守っていれば、脂肪を燃焼したり食欲を抑制したりと、健康的にダイエットすることができ、さらに美容効果もあるので、女性には嬉しいことが多い食材です。しかし高カロリーゆえに、間違った食べ方をしてしまうと逆に肥満になってしまうので、食べる量には注意が必要です。
①カロリー調整する
アボカドは脂肪分が非常に多く、1個あたりのカロリーは約230kcalと、「森のバター」と呼ばれるほど高カロリーなので、食べる時は「ご飯を減らす」などの調整が必要です。1日1個食べるなら、ご飯1杯分、または食パン1枚分は3食の中で減らすようにしましょう。特に脂っこい食事や揚げ物を好んで食べる人は、カロリーと合わせて脂質も取りすぎないように十分注意してください。
②アボカドは1日1個まで！
アボカドはダイエットに効果のある脂質成分が豊富ですが、過剰に摂取すると肥満の原因となります。そのため、成人女性1日あたりの推奨脂質摂取量25g〜30g(アボカド約1個分）を超えないように気をつけましょう。
③アボカドは食事の前に食べる
アボカドを食べるタイミングは「食前」がベストです。アボカドに含まれる食物繊維が胃の中で膨らみ、満腹感を与えてくれるので、ストレスなく自然に食事制限できる効果が期待できます。
④栄養効果がアップする食材と一緒に食べる
アボカドと一緒に摂取することで、より効率的に栄養効果をアップさせることのできる食材がいくつかあります。美容効果を上げたい時はトマト・アーモンド・ブロッコリー・サーモン、血行促進効果を上げたい時はマグロ・レバー・レモン、便秘解消効果を上げたい時は牛乳・バナナ・豆乳・ヨーグルトなどです。どれも健康面だけではなく、食事としても美味しい組み合わせなので、ぜひ試してみてください。
⑤なるべく生で、苦手な方はアボカドオイ活用する
アボカドに火を通すレシピもありますが、加熱は豊富なビタミンなどの栄養素を破壊してしまうので、生で食べるが1番です。生のアボカドが苦手な方は、アボカドの果肉だけを絞った「アボカドオイル」も生のアボカドとほぼ同じ効果を得られるので、ぜひ試してみてください。香りや味にクセがなくてサラッとしていて、炒め物だけでなくサラダやスープにそのまま混ぜるだけでも大丈夫です。栄養分が濃縮されているので、1日大さじ1〜2杯の摂取で十分です。アボカドオイルは手間も時間もかかからないため、忙しい方にもオススメです。
私の好きな食べ方は、よく熟れたアボカドをタネに沿って半分に切り、スプーンですくってトーストにバターのように塗って食べる、アボカドトーストです。酸味の強いドイツパンは、クリーミーなアボカドと相性抜群です。仕上げに黒胡椒やチリパウダーなどのスパイスを軽く振ると、良いアクセントになります。朝ごはんや小腹が空いた時のおやつ代わりによく食べています。（いつでも食べられるように、アボカドは安い時に買いだめして冷蔵庫に必ず何個かストックしています。）
アボカドの持つ栄養素は、女性にとって嬉しい効果がたくさん詰まっています。また、手軽に摂取できて調理法も幅広いので、いつもの食事に手軽にプラスしやすい食材です。アボカドを積極的に食事に取り入れて、体の中から美しい女性を目指しましょう！