炭酸水を飲むだけで手軽に取り組むことができる炭酸水ダイエット。炭酸水による満腹感を上手に利用して食べ過ぎを防ぎ、カロリー摂取量を大幅に減らすことが期待できるダイエット方法ですが、飲み方次第では逆に太ってしまう場合もあります。今回は誰もが簡単に楽やせ体質になれる炭酸水の正しい飲み方を、分かりやすく解説します。
炭酸水の効果
過食を防ぐ
空腹感が強い時に食事をして、ついつい食べ過ぎてしまった経験はありませんか。そんなときに炭酸水を飲むと、炭酸ガスが胃の中で膨らむことで満腹中枢が刺激され、空腹感が和らぐことで食べ過ぎを防ぎます。無糖炭酸水は0kcal。飲むことで脂肪が蓄積してしまうことはないので、ダイエットにも取り入れやすいです。
便秘解消
炭酸水を少量（100ml程度）飲むことで、炭酸が消化管の壁や血管、細胞を刺激し、胃腸の働きを活発にすると言われています。腸のぜん動運動が鈍っていることで便秘がちで悩んでいる方におすすめです。しかし、胃の働きが良くなることで同時に食欲が増してしまう可能性もあるため、食事の量を決めてつい食べ過ぎてしまわないように注意しましょう。
体温を上げる
ダイエットをしていると、エネルギー不足や筋肉量の低下から体が冷えやすくなってしまうこともあります。炭酸の刺激は体温の低下を抑えることが確認されているため、冷え対策に役立ちます。しかし、冷えの根本的な解決にはならないため、極端なカロリー制限によるダイエットよりもバランスのよい食事を摂ることをおすすめします。
炭酸水を飲むとなぜ「やせ体質」になる？
炭酸水は、真水と飲んだ感覚が全く違います。清涼感があり、のどごしがよく、飲むとお腹が膨れているような感じがします。炭酸水とは、真水に二酸化炭素（CO2）が溶け込んだものです。二酸化炭素は空気中に気体としても存在していて、気体中にあるときは「炭酸ガス」、水の中に溶け込んでいるときは「炭酸」と呼ばれます。水に溶け込んで安定している炭酸はシュワシュワ泡立つことはありませんが、炭酸水に振動が加わったり異物が触れたりした時には、水の状態で炭酸を留めておけなくなり、気泡となって出ていきます。この泡が、飲んだ時に満腹感をもたらしてくれます。
実験では500mlの炭酸水を飲むと、炭酸ガスが胃のなかに充満するため、胃がふくらみ満腹中枢が刺激されることがわかっています。一方、炭酸水を100ml程度飲むと、胃腸の活動が活発になり食欲が増進します。泡の刺激だけでなく炭酸が入り込み、血管や細胞に働きかけることで、こうした変化が生じます。もしダイエット効果を得たいなら、300～500mlくらい飲んでみましょう。満腹感で食べ過ぎを防止できます。
また、炭酸の注目すべき点としては、血管を拡張させる作用があります。二酸化炭素の分子は、空気中ではまばらに存在していますが、水に溶けると密度が高い状態で存在できるようになります。二酸化炭素の分子自体はとても小さいため、皮膚や胃壁の表面から浸透することができます。分子が密に存在している水中の炭酸のほうが、空気にふれてガスになったものよりも効率よく浸透するのです。浸透した炭酸が血管に入ると、血管の内側の壁を刺激し、血管拡張ホルモンのプロスタグランジンE2が分泌されます。このプロスタグランジンE2が血管を広げて、血流量が増えて血行がよくなります。
胃腸の血行が改善されると、胃と腸が連動して動き出し、消化活動が活発になります。酸素や栄養分がより細胞に行き渡るようになり、必要な水分や栄養素が吸収され、老廃物は体外に排出されやすくなります。老廃物がスムーズに排出されないと、ため込みやすく太りやすくなります。炭酸水は健康的で代謝の良い身体をつくるサポートをしてくれるのです。
炭酸水ダイエットのやり方
用意するのは無糖の炭酸水。炭酸の刺激は胃に負担をかけやすいので、一気に飲むことは避けてゆっくり飲みます。ダイエット目的で食事前に飲むなら、1回あたり300〜500ml、便秘解消のためなら1回あたり100ml程度を目安にしましょう。うれしいダイエット効果がある炭酸水ですが、0kcalだからといって飲み過ぎは禁物です。場合によっては体に悪影響を及ぼすこともあります。
食べ過ぎ防止によるダイエット効果を狙って炭酸水を取り入れるなら、ぜひ食前に飲みましょう。 胃を膨ませておくことで空腹感がやわらぎ、過食を防ぎやすくなります。また小腹が空いた時に飲むことで、お菓子の食べ過ぎを防ぐことも期待できます。
炭酸水ダイエットのメリット
手軽にダイエットできる
炭酸水ダイエットの最大のメリットは、ライフスタイルを変えずに手軽に生活の中に取り入れることのできる点です。炭酸水を飲むだけなので、サプリやダイエット器具を買わずに取り組める点も、嬉しいポイントです。最近では自宅で炭酸水が作れるものもありますので、上手に取り入れると良いでしょう。私はソーダメーカーの中でも一番有名なブランドのソーダストリーム（SodaStream)を愛用しています。ガスシリンダー１本でペットボトル約120本分も炭酸水を作ることができ、500mlボトル1本あたり約18円で炭酸水を楽しめるので、大きな節約にもなり、もちろん環境にも優しいです。
食事を我慢しない
自然とお腹が膨れ、満腹感を得ることができるため、食べたいのに我慢しなければならないストレスを感じることが少なく、食事量を調節することができます。
水分補給がしっかりできる
体内の水分が不足すると代謝が低下し、やせにくい体質になってしまいます。水は苦手だが炭酸水なら飲めるという場合は、水分補給としても積極的に利用しましょう。
炭酸水ダイエットのデメリット
食欲が増進する
少量の炭酸水では満腹感を得にくく、胃が刺激されるだけのため、食欲が増えてしまいます。コップ1杯の炭酸水ではむしろお腹が空いてしまうという場合は、一度に飲む量を少し量を増やして取り入れましょう。
ゲップが出やすくなる
炭酸水を飲んだ後に、人と会う仕事があるという場合は、控えた方が良いかもしれません。しかし、ゲップが出やすいかどうかは人によって異なりますので、ゲップが出ても構わないときを活用して試しておきましょう。
お腹が張りすぎることがある
炭酸水のガスを利用すると、満腹感により食べ過ぎを防ぐことができるというメリットがありますが、炭酸水を飲みすぎてしまうと胃や腸にガスが溜まります。お腹が張りすぎてしまい、不快感を感じてしまうこともあります。一気飲みは避け、ゆっくり飲むようにしましょう。
胃酸の分泌が低下する
食べものが胃に入る前、もしくは胃の中にある時点で炭酸水を飲みすぎると、水分によって胃酸が薄められて消化力が落ちてしまうこともあります。消化に時間がかかってしまい、胃の負担が大きくなってしまいます。油物など消化に時間がかかるものを食べるときは特に、炭酸水は食事の30分前までに飲むのがおすすめです。
炭酸水ダイエットをする際の注意点
無糖のものを選ぶ
コーラは100mlあたり46kcal、サイダーは100kcalあたり41kcal。喉越しが良くてゴクゴクと飲んでしまいがちですが、糖類が加えられている炭酸飲料の飲みすぎは肥満のもとになります。ダイエット中の方は0kcalである無糖の炭酸水を選びましょう。
アルコールやジュースで割らない
味のあるドリンクと割って飲むと美味しいですが、カロリーが高くなってしまいます。また、喉ごしが良いため飲みすぎやすく、カロリーオーバーを招きます。飲むときは「炭酸水」のみ、と決めておくことが大切です。私はオーガニックのアップルサイダービネガーで割って、リンゴ酢ソーダにして飲むことが多いです。詳しくは【リンゴ酢で暑い夏を乗り切ろう！】毎日の美容と健康維持に大さじ1杯のリンゴ酢の記事で紹介しています。
一気に飲んだり冷たいまま飲まない
喉ごしが良いため、つい冷たくして一気に飲みたくなってしまいますが、飲み過ぎは代謝の低下を招きます。また、冷たいと冷え性になりやすく、これも代謝の低下を招きますので、冷たすぎない炭酸水を少しずつ取り入れるようにしましょう。
バランスのいい食事と一緒に取り入れよう！
炭酸水は食べ過ぎを防いだり、便秘の解消に役立ったりと、ダイエット中のかたにとってメリットが多い飲み物。 しかし、決して炭酸水を飲むだけで簡単にやせるというわけではありません。また飲み過ぎることで体に悪影響を及ぼす可能性もあります。まずは食事のバランスを整えて規則正しい食生活を習慣にした上で、適度な量を上手に取り入れましょう。